1.男女共同参画社会の実現について
 
■@男女共同参画に対する市長の基本姿勢について

 女性差別撤廃条約の発効を大きな契機とする国際的な潮流のなかで、1999年「男女共同参画社会基本法」が制定されました。その前文では、男女が「性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮する」男女共同参画社会の実現が「21世紀の我が国社会を決定する最重要課題」であると謳われています。宝塚市においても、全国に先駆けて男女共同参画宣言都市になるなど、男女平等の実現にむけた取り組みが積極的に進められてきたと思います。性別や年齢によるパターンにこだわらず、誰もが「自分らしく」ライフスタイルを選択し、自立し、安心し、元気になる・・・それが男女共同参画社会です。しかしながら、社会制度や慣行が、男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なもの(活動の自由な選択を妨げないよう)にするという基本理念にはほど遠く、まだまだ多くの課題が残されています。また、女性に対する暴力が、人権に関わる深刻な社会問題となっています。

 そのような状況のなかで、昨年6月に宝塚市男女共同参画推進条例が制定されました。そしてその条例に基づく施策が進んできています。そこで、改めて、男女共同参画に対する市長の基本姿勢についてお伺いいたします。
 また、条例に基づく施策の拠点施設である女性センターが「男女共同参画センター」と名称変更されました。当然、その変更にともなう施策の見直しも行われたと思いますので、その方向性や内容の充実した部分など、現状をお聞きしたいと思います。

A具体的取り組みについて
2003年4月に、内閣府男女共同参画局より示された「女性のチャレンジ支援策について」には、「女性のチャレンジは、男性の元気、社会の活気」というキャッチフレーズが掲げられています。いつでも、どこでも、誰でもチャレンジできるよう、効率的に必要な情報を得られるよう、女性のチャレンジ支援関係のネットワーク化を進めていかなければならないと考えますが、いかがでしょうか。

2点目は、ポジティブアクションの推進についてです。あらゆる分野で男女共同参画の推進をという方向があるにもかかわらず、社会の根本的なことを決めている政治や行政の場は、まだまだ男性中心です。また職場においても管理職などは男性が多く占めています。時代がすすめば、自然と女性が増えるだろうという楽観的な見方もありますが、やはり、積極的に男女共同参画をすすめていくのが政治の役割ではないでしょうか。政策方針決定過程への女性の参画を拡大するため、特に行政の管理職登用など、クォータ制を含む、積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)の取り組みについての現状をお聞きします。

3点目。大きな社会問題となっているセクシャルハラスメント対策やドメスティックバイオレンス対策について、本市ではどんな取り組みが行われているのでしょうか。

最後に、実質的な男女共同参画が本市で推進されていく仕組み作りのために、改めて、社会教育としての男女平等教育が求められているということを申し述べたいと思います。とりわけ、人権に密接に関わる仕事をしている人たちへの教育は緊急課題ではないかと考えます。公務員はもとより、医療関係者・教職員・社会教育関係職員・福祉関係職員・消防職員・警察職員・自衛官・マスメディア関係者・議会関係者・検察職員・裁判官など、人権に密接に関わる仕事をしている人たちへの啓発・研修についてお伺いいたします。

〈当局回答〉

■ 男女共同参画社会の実現は、平成11年に施行された男女共同参画社会基本法にうたわれておりますように、21世紀の我が国社会を決定する最重要課題であります。本市の男女共同参画推進条例や女性プランに基づいて諸施策を実施してまいります。特に人権に関わりの深い行政職員、福祉関係施設職員、各種相談に携わる職員などに対する啓発・研修は大変重要であり、推進を図っているところであります。

2 次 質 問 と 要 望
DV法をフォローし、被害女性に対する相談支援体制の充実をはかってください。また、加害者更生プログラムへの支援なども必要だと考えますが、いかがでしょうか。さらに、DVやセクハラの背景には、男性による女性支配の基盤となる社会経済的構造があります。実質的な男女平等を確立する取り組みが、女性に対する暴力の根絶につながります。ぜひとも前向きな施策の実現をお願いいたします。

 いま、なぜ男女共同参画政策なのか問い直してみると、それは男女共同参画政策こそ、性別・年齢にかかわらずあらゆる人の自立と安心の政策となるからなのです。

 小さなことの例え話ですが、今朝本会議が始まる前にこの議場で写真撮影がありました。それに対してあらかじめ議員に連絡プリントが配布されました。
「当日は、スーツ・ネクタイ着用のこと!」・・・(女性議員はそれに準ずる服装)私は、何日も何を着てこようかと悩みました。要するにキチッとした服装をすればいいということはわかっているのですが。私もネクタイを持っていますので、あえて問題提起として、スーツ・ネクタイ着用でパシッと決めてみようかなと思ったりしたのです。また、スカートで優雅にまとめてみようかなとも考えました。結局、このような光り物で中途半端な主張をすることになってしまいました。ネクタイでもスカートでも、私は私自身であることにかわりはないのです。なぜ、<男性に準ずる・・・>かというと、女性には慣例というものがないからなのです。宝塚市議会会議規則第105条に、議場に入る者は、帽子、外套、襟巻き、杖、傘の類を着用し、又は携帯してはならない。とあります。これを読んでも、基準が男性であることがわかります。男性と女性を固定観念に基づいて表現するのではなくてそれぞれの多様な生き方を積極的に表現するようにすべきです。また、女性・男性のみならず、色々な人と人を「対等な関係」として表現しましょう。そういったことの積み重ねが、人権を尊重すること そのものにつながります。」
 最後に、宝塚市男女共同参画推進条例の前文から一文引用し、私のまとめの要望とさせていただきます。

 「真の男女平等の達成を図るには、男女の人権が共に尊重され、一人一人の能力や個性が十分に発揮でき、あらゆる分野に対等に参画できて、それに伴う利益を共に享受でき、責任も共に担う社会の早期実現が求められている。ここに、私たちは男女共同参画社会の実現を目指すことを強く決意し、この条例を制定する。」
 今一度、この条例がさらに実効性の高いものになっていきますようお願いいたします。
 
 

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