3.「食に関する指導」 
 
■@「栄養教諭」創設について  
 「栄養教諭」創設について
 中央教育審議会が、児童・生徒の将来的な健康状態への危惧と、食教育の重要性についてふれ、「栄養教諭」の創設を提言しました。それをうけた改正学校教育法が成立し、来年度施行となります。
 小学校や中学校で、給食の管理をするとともに、授業などで「食に関する指導」を担い、食物アレルギーの子どものカウンセラー役などにもなると期待されています。教育委員会として、この制度をどうしていこうと考えておられるのかお尋ねいたします。
<教育長職務代行者答弁>
 栄養教諭に関する情報の収集に努めるとともに、県教育委員会と密接に連携しながら対応していきたい。
 
■A子どもの心と食について
 関連して、教育現場の子どもたちの実態のなかから、「子どもの心と食について」見解をお伺いいたします。

 「食」は人間が生きていくうえでの基本的な営みのひとつであり、健康な生活を送るためには、健全な食生活は欠かせません。
 しかし、近年 食生活を取り巻く社会環境の変化、すなわち〜ありとあらゆる食品がいつでも好きなときに好きなだけ食べられることや、外食・冷凍食品の普及〜などにともない、食生活が乱れてきているようです。

 現実に、肥満傾向の増大、過度の痩身、生活習慣病の低年齢化などがみられます。

 そんな状況が学校生活にも現れ、キレる子どもや集中力がない子どもたちが増えてきているのかもしれません。それらは、けっして食生活と無縁ではないと とらえざるをえません。

 朝ご飯を食べて来なかったり、お菓子を食べ過ぎたり、清涼飲料水の飲み過ぎなどの実態。家で食事を作ってもらえず、インスタント食品や冷凍食品ばかり食べている子、唯一の栄養源は「学校給食」だという子どももいます。

 食の問題は、本来は 家庭が中心となって担うべきものである、との考えもありましたが、家族形態の多様化・共働きの増加などで 家庭生活のあり方も変わってきました。 いわゆる「弧食」「朝食欠食」や不規則な食事時間などが、子どもたちの心身や 社会性の発達に与える影響が 憂慮されてきています。  
保護者が子どもの食生活を十分に把握し、管理していくことも困難になってきているのではないでしょうか。 
だからこそ、今 食教育の必要性が急務となっているのです。学校では、5年生より家庭科で「食」について学習しますが、それでは遅いのです。 

市内の学校では、専門職としての学校栄養職員が、教室やランチルームで学級担任と協力して、学校給食を生きた教材として食教育をおこなってきています。
なかには、総合学習で「食」に関するテーマをとりあげている学校もあります。
 そこから、健康・福祉の分野へと、さらに環境問題や国際理解など 多くの課題へと広がっていく可能性を持っています。

 このように、食教育は少しずつ積み重ねられてきていますが、まだまだ「教育」としてのまわりの認識は薄く、宝塚市の教育委員会でも、教育・指導部門で取り上げられることはなかったわけです。

 今後、学校栄養職員が教育的資質をもった「栄養教諭」となることにより、系統だった「食教育・食に関する指導」が積み上げられることを 大いに期待したいと思います。そのためにも、教育現場における「栄養教諭」の重要性を認識していただき、現職者の移行措置も含めて、定数増を兵庫県へはたらきかけていただきたく要望いたします。

2 次 質 問 と 要 望
 食教育をすすめていくための基本となるものは「学校給食」です。すなわち、食教育の推進と学校給食とは一体化したものといえます。
 昨今、全国的に学校給食を合理化しようとする流れがありますが、本市では直営方式を堅持しています。このことは、「未来を担う子どもたちの命を、市が直接きちんと守る」という点で大変意義深く、評価に値します。
 これからも、この方式を維持し、さらなる学校給食の充実を期待していることを付け加え、要望といたします。

 



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