4.「教育を受ける権利」とそれを充足すべき責務
 
■@支援を求めている全ての子どもを対象に必要な教育サービスを
 まずはじめに、私が昨年から繰り返しお願いしておりました「介助員」や「子ども支援サポーター」の配置希望校やその現状についてお伺いいたします。

 次に、学校ではさまざまな行事が行われています。普段の学校生活ではできない体験を通して、子どもたちは成長していきます。しかし、学校や家庭を離れての生活を送るために、普段以上の十分なケアや配慮が必要な子どもたちが、年々増加しています。


 例えば、小学校の自然学校では、指導補助員・医療救急員を増員したり、食物アレルギーの子どもに対応する栄養士の帯同も実現したとのことです。今年度の実績をお伺いいたします。

 このような 支援を求めている子どもに必要な教育サービスを行い、その子の学習権を保障する取り組みを、今後さらに拡大・充実していただけますよう要望いたします。 そして、ますます人的な配置の必要性が高くなっていく現状を認識いただき、しかるべき予算確保をお願いいたします。

 ただ、一面では、それが自然学校予算のなかで増大することで、他の活動が制限されたり、児童の負担が増えることにならないかが気がかりです。そういった心配はないでしょうか。
<教育長職務代行者答弁>
 介助員は年々増員し対応している。支援サポーターについても増員が不可欠と判断している。
 
■A解放学級終了後の学力保障や人権学習のあり方について
 2002年2月「同和施策の今後について」の市方針では、これまでの施策を一般に拡大する事業が示されました。
地域の児童生徒を対象として、基礎学力としての教科学習と、差別に打ち克つ意欲の醸成(じょうせい)という両面で臨んできた解放学級。
2005年からは、「学校での学力保障」と「差別に打ちかつ意欲の醸成としての仲間づくりや自立心の向上については人権文化センターで」となっていくとのことです。
2002年から2004年の3年間の移行期の取り組み状況、そして学力定着の進捗状況についてお伺いいたします。
2 次 質 問 と 要 望
 「自主的学習能力」を高めることなくして学習理解度の向上はありませんし、そのためには差別に打ちかつ意欲や目的意識がなにより必要です。つまり、学校での学力保障と人権文化センターでの学習は、やはり切り離すことはできません。
 お互いの関係を切らないで、学校とセンターが共に子どもを見守り育てていける連携を大切にしてほしいと思います。

 

<教育長職務代行者答弁>
 市教育委員会としては、今後も特別な配慮を必要とする子ども達が可能な限り主体的に活動できるよう、学校からのニーズをふまえ、適切な支援に努めていきたい。
 
■B最後に、奨学助成事業について
 教育基本法第3条は「教育の機会均等」として、
すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであって、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。

 2 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない。
と謳っています。

宝塚市奨学金条例は、この第3条を規定に基づきつくられました。今や高校教育は義務教育に近い状態にあり、ほとんどの人が高校に進学しています。しかし、高校生活を送るための費用は中学時代と比べものにならないほど多額になっています。

 そのうえ私立の場合は、公立に比べると何倍もの費用がかかります。2002年度の決算成果報告によると、<奨学金給付件数は549件。昨今の経済不況により申請者が増える傾向にある。>とまとめられています。
 しかし、<市の財政状況が逼迫している状況でこれ以上の予算増額は見込めない>ことから、給付認定基準の見直しがはかられました。

 2004年2月10日の教育委員会において、条例施行規則の一部改正。所得の認定において、昨年度までは 本人と保護者の所得の合計額だったのが、本人と本人同一世帯全員の所得合計額で判断されることになったのです。これが給付認定基準の見直しということでいいのでしょうか。


 さて、2004年4月21日付けで各高校に奨学生募集要項が送付されてきました。それを見た関係校の先生方に大きな衝撃が走ったと聞いています。何の事前説明もなく突然の変更があったからです。

 昨年来の180項目の事務事業費見直しの論議のなかで説明責任を問うたことに対して、助役から「特に痛みを感じるような見直し案につきましては、別の面でフォローできることがあれば、それらを含めて誠意をもって説明すべきであろうと考えております」との答弁といただきました。

 しかし、この奨学金給付事業については、当事者・学校・市民・議員に対して何の説明もされていませんが、その点について見解をお尋ねいたします。


 2点目は、現在の給付制度は今年度で終了し、来年度からは貸し付け制度に移行する予定です・・と書かれてあります。なぜ給付制度を終了するのですか。理由とそれによる財政面での改善がどの程度はかれるのか、お伺いいたします。

2 次 質 問 と 要 望
給付制度を貸付制度に・・というのは「移行」だと謳われていますが、実は「給付制度の廃止」であります。貸し付けというのは全く別の制度ととらえるべきです。
 1万円給付がゼロになります。激変緩和していただきたい。給付制度の存続を強く要望いたします。

 2点目は、独立行政法人日本学生支援機構(旧;日本育英会)または、兵庫県高等学校奨学資金受給者が、申請資格から削除されたことです。つまり、別の奨学金貸与を受けている人には給付しないということなのです。
 貸与を受け、さらに本市から給付を受けている人は、本当に生活困窮者なのです。

 また、給付制度がたとえ貸与になったとしても、他の奨学金との併給禁止はしないでほしいとお願いいたします。深刻な不況の中で家庭の収入は減り、保護者の苦労は大変です。生活がそれだけ困窮している現状をどうか理解していただきたいと思います。

 それでも、子どもにはできるだけ教育を受けさせたいという保護者の願いの大きさ・重さをぜひ考えてみてください。そして、子どもの「教育を受ける権利」とそれを充足すべき自治体の責務について、今一度問い直したいと思います。

<教育長職務代行者答弁>
 宝塚市人権教育推進委員会の意見具申を尊重しながら、豊かな人権感覚を育て、一人一人の学力保障、進路保障の充実を目指す。。


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