議会報告 北野さと子の一般質問及び主な答弁 〜抜粋
 
平成20年12月、宝塚市議会本会議が開催されました。

私の質疑および当局の答弁をご報告します。(抜粋)

  一 般 質 問
1.「教育環境整備」について 
  (1)教育環境の整備に何が必要か
(北野)
教育環境の整備は子どもの未来に対する大人の責任である。その責任を果たすために何が必要であると考えるか、市長の見解をお伺いしたい。
(市長)
子どもたちが安心して明るく育つ教育環境を整えていくことが大事だと思っている。ハード面では、施設の安全確保に加えて学校の危機管理体制を整えることも大切である。ソフト面については、教職員が子どもたちと向き合う時間の確保ができ、教職員本来の力を発揮できる環境を整えることが大切である。
また、さまざまな心のケアや特別な支援が必要な子どもたち一人ひとりの教育的ニーズを把握し、課題を発見し手立てを講じる体制づくりを進める。家庭や地域の支援・連携も不可欠である。

  (2)教材費予算について
(北野)
いま、自治体の財政力が教育現場を直撃している。
教材費予算は、1985年までは義務教育費国庫負担対象費目であったが、一般財源化されて以降、予算措置率は年々低下している。交付税措置されているのに、学校に行き渡らないという深刻な事態となっていることは、文部科学省も問題としている。
市長見解は。
(市長)
将来の「私たちのまち宝塚」に責任をもつためにも、長期的な視点での財政運営の健全化を確保する取り組みを進め、未来を担う子どもたちの育成や、子育て支援などに配慮した財政運営を行っていく。
(副市長)
教育予算については、重点的に引き続き予算措置をしていきたいという姿勢は変わらない。
 要望
予定されている「宝塚市教育振興基本計画」策定に当たって、教育予算拡充の重要性を盛り込むべきではないか。実効性ある教育振興基本計画を。
  ◆◆◆教育予算 要望
  今年も全国学力テストが実施されたが、毎年、しかも全員対象の悉皆方式で巨額の費用をかけてやり続ける意味があるのだろうか。
専門家も「毎年は無用」「抽出調査で十分」などと指摘している。
この調査で改めて確認した学習環境状況を踏まえ、現場の実態に即した支援策と、教育予算のありかたを考えるべきではないだろうか。
 2次質問
(北野)
宝塚市の各学校教材費消耗品予算について、昨年度途中で突然予算執行停止が通告された。その状況について伺いたい。
(学校教育部長)
財政健全化に向けての緊急対策通知により、すべての備品予算執行停止とした。しかし、その後、子どもの健康や生命の安全に問題が生じるものや次年度に備えて必要なものについては、行財政改革担当と協議し執行した。今後とも計画的な予算執行がなされるよう取り組んでいく。
  2次質問 - 要望
新学習指導要領の全国的な実施は、小学校は平成23年度から、中学校は平成24年度からであるが、可能なものはできる限り早期に実施するという基本方針の下、本年度から算数・数学、理科は先行実施されることとなっている。

授業時数の増加とともに、指導内容の充実が図られ、特に観察・実験などの活動が充実されることとなった。
しかし、理科教育等の設備の整備状況を見ると、新たな指導内容に対応した設備の多くは未整備であり、また、老朽化して観察・実験に適さない設備も多いのが現状である。
例えばこのような理科の実験器具といった、「必ず学習に必要な教材」を揃えることは学校の責務であり設置者の義務ではないか。
教材費予算を一律カットするということは、子どもたちの学ぶ権利を奪うことにつながる。改善を求めたい。
 

  (3)少人数教育の実現について
(北野)
日本は、経済協力開発機構(OECD)の調査では、教育への公的支出の国内総生産(GDP)比が28カ国中で最下位という現実には改めて驚かされる。
さらに、諸国の平均水準と比べて、ひとクラスあたりの子どもの数が多いのが現状である。社会の多様化が進む中、学校における課題もさまざまである。子ども一人ひとりにきめ細やかな教育がゆきとどくように、国際水準並みの少人数教育を実現する必要がある。
学力調査でも、平均点の高いところでは、少人数学級など指導の工夫と成績の相関がみられるとの結果がでている。
少人数教育についての市長の見解をお伺いしたい。
(市長)
新学習システムにより、小学校16校、中学校12校で1つの学級を2つに分割した少人数授業を実施している。質問がしやすく理解が進むといった効果があり、子どもたち一人ひとりにきめ細やかな指導ができる。
今後も指導方法や指導体制の工夫改善に努めていく。
要望

少人数教育・少人数学習を進めていくには、そのための教職員の増員と教育予算の拡充が必要であり、行政としてしっかりとした政策と支援策を打ち出すことを要望する。

 

  (4)学校図書館司書の配置について
(北野)
学力テストと同時に行われた調査の結果を重ね合わせた分析も、学習時間や読書時間が長い子どもほど正答率が高いという結果がでている。専門職として学校図書館司書配置についての展望をお伺いしたい。
(教育長)

学校図書館司書を配置することによる教育的な効果は、選書のアドバイスや利用のオイエンテーリング、読み聞かせ、ブックトーク等を実施することができ、子どもたちの読書に対する興味関心が向上するということが考えられる。
今後は国の緊急雇用機会創出事業の予算等を活用し、年次的に市内全小中学校に学校図書館司書を配置していく。

 

  (5)小学校校門の遠隔施錠システムについて
(北野)
3月議会において「ガードマン等の人的配置は本市の逼迫した財政状況から困難。」との答弁だったが、「たとえば、遅れて登校する子どもが学校に入りにくいなど、門扉を閉ざすことの弊害はないのか。」という点については、十分な回答がなかった。
門を閉ざすことによって「学校に入りにくい子ども」が増え、子どもの学ぶ権利が奪われてはならないということを述べ、再度「人の配置」を要望する。
(教育長)

学校現場とは十分協議をし、円滑な導入を図っていく。

 

  (6)子どもたちがのびのび遊べる「芝生の校園庭や公園」づくり
                                    について
(北野)
最近では全国各地に緑の校庭が広がり、東京都や大阪府では全校芝生化に向けた取り組みも始まっている。
従来の日本にある「高級な芝生」という固定概念をくずす、低コストで環境に優しい、所謂「鳥取方式」の芝生化が全国から注目を集めている。
宝塚市でも、旧来の固定概念を捨て、「鳥取方式」による学校の校園庭や地域の公園・広場等の芝生化に取り組んでみてはどうか。
(市長)

校園庭や公園の芝生化は、子どもたちの怪我を未然に防ぐなどの効果があるとともに、緑化の推進による地球温暖化防止に効果があるなど、魅力的な事業であると考えている。しかし、管理活動を含めた市民の協力や理解が必要である。年間を通じて管理していただける団体や公園を増加させるとともに、芝生化が望ましいとの意向が示される場合には、市としても検討していく。
市長としても芝生化した学校など見学に行ってみたいと思っている。
教育に対しての大切さ、それは北野議員と思いを同じくするところがたくさんあるので、今後も一生懸命取り組んでいく。

(教育長)
校園庭の芝生化により、地表面の熱を抑える効果や子どもたちの情緒安定や怪我防止など多くの利点がある。一方、維持管理の経費や地域住民との連携などの課題整理も不可欠である。芝生化の検討に当たっては「鳥取方式」も参考にしていく。
要望
神経系の発達である「調整力」の発達量は7・8歳がピークであり、子どものときの運動が一生の体をつくるといわれている。跳んだりはねたり転がったり、走ったり・・思いっきり色んな動きをこの時期までにしておかないと、大人になってからでは取り戻せない。子どもたちが、のびのび遊んだり走ったりしたくなるような環境づくりが大切である。
   
 
 

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