議会報告 北野さと子の一般質問及び主な答弁 〜抜粋
 
平成26年12月、宝塚市議会本会議が開催されました。

私の質疑および当局の答弁をご報告します。(抜粋)

  一 般 質 問
       
1. 宝塚市教育委員会のあり方について
  (1) 「改正地方教育行政法」が 2015年4月に施行される。改正内容は、首長が招集する「総合教育会議」と、首長が直接教育長を任命するものであり教育長を通じて首長の教育への関与を大幅に強めるものである。教育の政治的中立性、継続性・安定性の確保が損なわれることが強く懸念される。施行後の宝塚市の教育委員会制度のあり方については。
      ●中川市長答弁
      現在、教育委員と情報共有し意見を述べる場として、「総合教育会議」の設置に向け調整を図っている。「宝塚市教育振興基本計画」に揚げられている理念等と合致した「大綱」となるよう、教育の政治的中立性を確保しながら策定していきたい。
      ●井上教育長答弁
      政治的中立性の確保や継続性、安定性の確保、広く地域住民の意向をふまえて行うことが本市教育行政の根幹。改正後も、この根幹がぶれないように、市長と協議調整をしていく。
       
  (2) 施行後、宝塚市の教育委員会制度における、市長と教育委員会の関係については。
      ●中川市長答弁
      教育委員会制度を設けた趣旨に鑑み、教科書採択、個別の教職員人事等、特に政治的中立性の要請が高い事項については、総合教育会議の議題とするべきではないことなどが留意事項として示されている。
       
  (3) 新教育長は、市長が議会の同意をもって任命するのだが、教育委員会は執行機関であることから、新教育長は市長の部下ではないという認識でよいか。
      ●中川市長答弁
      市長が職務命令の権限を行使するものではない。私としては、本市の宝である子どもたちのため、本市教育振興基本計画に揚げる理念、施策などについて、教育長と思いを共有しながら、教育条件の整備など重点的に講ずべき施策、緊急の場合に講ずべき措置について協議、調整ができ信頼関係のもと活発な情報意見交換が図られるよう連携強化を進めていく。。
       
  (4) 施行後、教育委員会の仕組みはどうなるのか。
      ●井上教育長答弁
      教育委員会が合議制による執行機関であることに変わりはなく、今後とも教育長は教育委員会の意思決定による事務執行を行うことになる。法改正後も、本市の教育を委員会の多数決で意思決定を行う仕組みは従来どおりである。積極的に市民の意見を取り入れながら、活発な議論を行い決定し、教育行政事務を推進していく。 
       

2. 本人通知制度について
  戸籍謄本などの請求は、本人、配偶者、親らに限られるが、例外として 行政書士など八業士は請求が認められており、これを悪用した不正請求事件が続発している。
  (1) 本市における不正請求の状況について
      ●中川市長答弁
      2011年調査で、4件の司法書士による不正取得が発覚。。
       
  (2) 兵庫県からの情報提供や、他市の取り組みついて
      ●中川市長答弁
      兵庫県から「本人通知制度の手引」が提供。県内28市町が導入
       
  (3) B重大な人権侵害と捉え、これを防止するために第三者に取得されたことを本人に知らせる本人通知制度の早期導入を。
      ●中川市長答弁
      住民基本台帳システムの再構築と戸籍システムの改修の後、来年7月に運用を開始したい。
       

3. 格差をなくす教育環境整備について
  @ 過大規模校における長期間のプレハブ校舎使用の一日も早い解消を。
  A 「武道」が中学校で必修となったが、武道場は12校中6校。
安全な授業のため全校に武道場整備を。
  B 自然学校指導員や介助員などの人材確保について。
    ●井上教育長答弁
    @ 学校規模適正化への手法を検討中だが、調整には時間を要し、早期のプレハブ校舎解消は困難な状況。
できる限り施設の修繕や改善に取り組み、子どもたちが快適に学校生活を送れるように努めていく。
    A 長尾中は、体育館建て替えに合わせて整備。
その他5校は、耐震化工事以降に進める。
    B 近隣の大学21校へ募集依頼している。
今後は直接大学に赴き募集活動に努める。 質の向上を図るためリーダー研修会を実施する。
通年の介助員は常時登録募集を行っている。プール介助員は宝塚応援団とも連携。
北野意見  
    B大学との連携強化やグループ単位での募集、さらに他市との報酬の差をなくすことで人材確保を。
   
4. 市営住宅について
  (1) 2008年、国は、国連の自由権規約人権委員会から、「同性どうしのパートナーが公営住宅を賃借することを妨げる差別があることを懸念する。」と勧告を受け公営住宅法が改正され、同居親族要件が廃止された。宝塚市の状況と見解は
      ●中川市長答弁
      公営住宅法の同居親族要件は廃止されたが、宝塚市営住宅管理条例は従来通りで、同性パートナー同士の入居はできない。同性パートナーや親族以外の単身者同士が入居可能なハウスシェアリング、高齢者等における協同生活、住宅困窮者に対する入居条件の緩和等、今後、世論や国、先進地の動向を注視していく。併せて、住宅マスタープランの策定において調査研究に努める。
       
  (2) 国は、2012年「入居制限はなくなっている」と報告。さらに2014年国連は、自治体に対し「同性カップルの入居を妨げている制限、つまり、自治体の条例も取り除くべき。」と勧告した。それなのに、宝塚市はなぜ、従来どおりの内容が適切と判断したのか。
      ●井上都市整備部長答弁
      当時の社会情勢から法律の内容をそのまま継承することが住宅行政においても混乱を生じさせないと判断した。
       
 
 2次質問
    @同性パートナー同士が居住と生計をともにしている場合、同一世帯の住民票作成は可能か。
A単一世帯と比べ国民健康保険料の差は。
B今後、同性パートナー同士の同一世帯での住民票作成が増えることも予想される。偏見や差別なくスムーズに作成対応できるのか。理解し温かい対応を求めたい。
市役所全体で研修を実施してほしい。
      ●中西市民交流部長答弁
      @世帯主と同居人として可能である。
A負担は軽くなる。

〈山下副市長〉
B制度や考え方は、社会情勢によって見直していくべきである。職員の意識も直し、理解を深める取り組みに挑戦したい。

〈中川市長〉
ヨーロッパでは同性婚が認められる状況だが、日本ではまだで、きわめて残念。非常におそいと感じている。市営住宅入居の問題は、自治体でできることであると思う。人権も含め、多様な生き方を認めていくそのひとつの突破口になればいいなと思う。どのようにすすめるか、今後しっかり検討していきたい。
       
 
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